人事とは秘密を抱えて墓場まで持っていく生き物である
金曜日と土曜日に、久しぶりに再会した人事仲間とお酒を飲んだり、お茶をしました。
そんなに人事をしている友達が多いわけではないので、普段話せないような話ができて本当に楽しい時間だったし、勉強になった。
私は今の会社に転職して3年目になったけど、人事は未経験でスタートしました。
人事としての仕事は、労務管理から始まりました。
社員の勤怠チェック・給与計算をして給与の振込手続き、人件費を各部門に振り分けるためにvlookupで式を組んで集計表を作成し、社保の手続き、引越しに伴う定期代の清算、結婚・出産に伴う扶養手続きや家族手当の支給、契約・派遣社員の契約書の更新手続き、人事評価のチェック・集計に賞与計算、年末調整など、苦手な細かい事務手続きを必死にやってた。
元々事務とか細かくて正確性を求められる仕事が本当に嫌いで、
なんで私がこんなことをやらなきゃいけないんだああああーー!!!!!!!!
って思ってました。
ま、自分が人事やりたくて転職したのに文句言うのも変な話なんですけどね。
元々前職が転職エージェントだったので、自社の中途採用をやりたかったんですよ。
労務管理と並行して、入社してすぐ中途採用は私に任せてもらい、2年間で中途社員を40名以上採用しました。
採用の話はまた別の機会に書きたいと思います。
そんな感じでやりたかった中途採用も出来ましたが、労務をやらなきゃならなかったのです。
人事として、「労務の知識や経験があった方が絶対にいい!」という上司の考えがあったからなのですが、本当につらかった。。。
労務をやっていたいのは1年半くらいでしたが、給与計算をミスをしてしまい社員に謝罪したこともありました。
今月の給与は間違えてないか。
ちゃんと正しい金額が社員の口座に振り込まれているか。
毎月気が気じゃなかったです。
今は私より圧倒的に事務スキルがずば抜けている人事に労務を引き継いだので、うちの会社は安泰です。あんしんしてください。
社員の給与計算をするということは、
社員全員の給与を知るということです。
一緒に人事として働いている隣の席の同僚はもちろん、自分の上司、会社の役員、
当然の社長の給与もです。
はじめて給与計算とはなんぞやを知った時、
私は理解しました。
決して言ってはならない秘密を抱えることが、
人事の仕事なんだと。
はじめて社員の給与一覧を見た時、ひええええええええええええええこんなもん見ていいんかいいいいいいいいと思いました。
きっと、世の中のスパイは同じ気持ちです。(ちがう?)
私と同い年のあの人はこんなにもらってるんだ!とか、課長の年収ってこんなもん?とか分かってしまうんです。
こんな人に話したくなるような話題、ないですよね??
もちろん 社員の給与の話を口外したことはありませんし、今後も何があってもしません。
言うべきことではないから。
小学生の頃、「絶対に誰にも言わないでね」と仲良しの女の子に好きな人を教えた時のことを思い出してください。
次の日、絶っっ対クラス中に広まってます
そういうもんなんです。人間って。
聞いたり見たものは、人に話したくなっちゃうもんなんです。
だから人事は口が堅くなければいけません。
自分の口から発してしまわないために。
人事はみんなそういう秘密を抱えているんです。
給与だけでなく、社内のパワハラ・セクハラ問題、ハードワークで体調を崩す社員の対応、メンタル問題、不正に経費清算をした社員の処分など、見たくもないようなネガティブな問題が、社内の暗く奥底に渦巻いています。
はらわた煮えくり返るようなこともたくさん起こります。
でも、うちの社員には違いないから、
平等に接しなければならない。
何事もないかのように。
だからそういうもやもやを抱えながら日々業務に当たっている人事仲間と会うと、
「わかるるううう!!!」
となるわけです。
でもね、実際は愚痴より前向きな話が圧倒的に多いんですよ。
どうしたらもっといい会社になるかなーって。
だって人事って、
みんな「人が好き」なんです。
だから、言ってはならないことやネガティブなことは墓場に持っていくとして、
今は明るく楽しい未来を描きたいと思います。